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電気供給停止時の案内表現と再開導線に関する意見書

拝啓
平素より、電力という社会生活に不可欠なインフラの安定供給に携わる事業者の皆様に、利用者の一人として敬意を表します。

本書は、電気料金未納に伴う供給停止後の案内表現および再開手続きの在り方について、一般利用者の視点から改善を提案するものです。特定の個別対応を求めるものではなく、生命維持性の高い社会インフラに関する制度設計と情報提供のあり方について、より利用者に分かりやすく実効性のあるものとなることを期待して記すものです。

1.「供給停止」と「契約終了」が混同されうる案内表現について

電気料金未納に伴う供給停止に関する案内の中には、一般利用者にとって、供給停止と契約終了との違いが分かりにくい表現になっていると受け取られうるものがあります。

一般に、契約終了は契約関係そのものの終了を意味し、供給停止は契約関係を直ちに完全終了させるものではなく、一定の事情により供給が停止された状態を指すと理解されます。
そのため、案内表現によっては、利用者が「すでに契約は完全に終わってしまった」と受け止め、速やかな再開のために本来必要な判断や行動を取りにくくなるおそれがあります。

特に、供給再開を希望する利用者が、再開手続きと新規契約手続きの区別を直感的に理解しにくい導線になっている場合、緊急時の利用者行動を不必要に複雑にしてしまう可能性があります。

2.夜間における再開手続きの実効性について

供給停止に利用者が気付くのは、仕事等を終えて帰宅する夕方から夜間である場合も少なくありません。
その一方で、夜間における供給再開手続きについては、利用者が複数の案内をたどったり、複数段階の入力を求められたりすることで、迅速に適切な窓口や方法に到達しにくい場合があると考えられます。

その結果、利用者が支払いを済ませていても、実際の供給再開までに時間を要する可能性があり、制度上の設計と利用者の生活実態との間にずれが生じることがあります。
とりわけ夜間は、利用者が不安や焦りを抱えた状態で手続きを行うことが多いため、平時以上に、単純で直感的な導線設計が求められると考えます。

3.人命・健康リスクの観点から見た制度設計の重要性

この問題を考えるうえで重要なのは、「実際に重大事故が起きたかどうか」だけではなく、「重大事故につながりうる制度的な弱点が放置されていないか」という観点です。

特に冬季や寒冷な地域において、夜間に長時間電力供給が停止した状態が続くことは、高齢者、乳幼児、持病を有する方などにとって、健康上の重大な危険を伴う可能性があります。
電力が生命維持性の高いインフラであることを踏まえれば、平常時の効率だけでなく、緊急時・例外時を想定した制度設計や救済措置の分かりやすい提示が重要です。

4.改善に向けて望まれる点

以上を踏まえ、今後の改善に向けた検討事項として、次のような点が考えられます。

供給停止と契約終了を利用者が明確に区別できる案内表現への見直し
誤解を招きにくい情報提供と画面導線の整備
夜間・休日を含む緊急時における再開手段の実効性向上
高齢者、寒冷地居住者、医療的配慮が必要な利用者を想定した例外的救済措置の明確化
「今すぐ電気を再開したい利用者」が最短で必要手続きに到達できるWEB・電話導線の再設計

これらは過大な要求ではなく、生命インフラを担う事業者に対して社会的に期待される合理的な改善事項であると考えます。

5.結び

本意見書は、特定の事業者を非難することを目的とするものではありません。
むしろ、電力という高い公共性を有するサービスにおいて、制度と利用者の生活実態との間に生じうるずれを見直し、より分かりやすく、より実効性の高い案内と運用へ近づけていくことが、結果として事業者に対する信頼の向上にもつながるものと考えます。

敬具